喜多見農業公園といえば、大蔵大根を思い出す方も多いのでは?
実は大蔵大根は江戸東京野菜と呼ばれる、昔から地域で栽培されていた伝統野菜なんです。
今年度は一部区画※にて、他にも以下のようないろんな伝統野菜を栽培しています。
どなたでもご自由に見ていただけますので、
スーパーに並ぶ野菜と、どこが違うのか? ぜひ見比べてみてくださいね!

※栽培コーナーの場所は作付マップにてご確認ください。


◎こんな野菜です

大田区馬込地域で代々継承されている種子をまき、丹念に育苗された苗で栽培します。
通常は全体がミドリ色ですが、果実(可食部)の下半分程度が白くなる特徴があります。

◎オススメの食べ方

生で食べることも可能ですが、苦みを感じる人もいるので、漬物等に加工することで食べやすくなり、美味しくいただけます。

◎農家さんが苦労していること

①白い部分がすぐに黄色くなるので、収穫適期を逃さないように管理しています。
②病害に弱いため、こまめな観察と防除が必要です。
③1株あたりの収穫本数が少ないです。


◎こんな野菜です

見た目はウグイス色(黄緑色)で、通常のコマツナ(濃緑色)より淡い色です。
農業公園で栽培されているものは、東京中央農協が保有する「大平系」・「渡辺系」の種子を用いています。

◎オススメの食べ方

やわらかく、食感も良いです。おひたしやお味噌汁はもちろん、サラダにして食べるのもオススメです。

◎農家さんが苦労していること

①やわらかい半面、茎が折れやすいので、出荷のときに大切に扱わないといけません。
②病害に弱いため、こまめな観察と防除が必要です。


◎こんな野菜です

鮮やかな朱色で、長さ10㎝ほど(3寸)、短い円錐の尻つまり形をしていて、根の先が丸みを帯びています。
大田区馬込地域の生産者が、地域で代々継承されている種子を用いて、栽培しています。

◎オススメの食べ方

普通の人参と同じように調理してください。
芳香があり、柔らかく甘いので、ニンジン本来の味を楽しむことができます。

◎農家さんが苦労していること

①病害に弱いため、こまめな観察と防除が必要です。
②現在の改良されたニンジンよりも「ニンジン本来の匂い」が強いので、消費者の好みが別れるおそれがあります。


◎こんな野菜です

色は純白で光沢があり、根の上部から先まで同じ太さの円筒形です。尻は丸くつまって、太さは10~12cm、長さは45cmほど、重さは約3kgほどになります。
世田谷区の若手生産者の団体によって、継承・固定化している種子を用いて栽培されています。(平成9年から地元ゆかりの大蔵大根を作り、世田谷の農産物をPRしようと、区内農家により再び栽培が始まりました。)

◎オススメの食べ方

煮物や汁物に適していて、特におでんに最適です。葉っぱの部分もサラダなどの生食にしていただけます。普通の大根(青首大根)に比べ、水分が少なく煮崩れせずに、味がよく染みこむので、煮物以外にも炒めものや、おひたしにも利用できます。

◎農家さんが苦労していること

①生育中は葉っぱが横に広がるため、通常の青首大根よりスペースの確保が必要です。
②病害に弱いため、こまめな観察と防除が必要です。
③1本で長さ45㎝、3㎏を超える個体になるので、収穫作業も生産者の負担となります。


◎こんな野菜です

葉色が淡いみどりで、葉身,軟白部分とも普通のネギと長さや太さは変わらないが、やわらかく、葉身・軟白とも食べられます。
宇奈根地域で、50年以上栽培されている軟白ネギ(長ネギ)です。
栽培しているものは、宇奈根地域で代々受け継がれている種子で育苗した苗を用いています。

◎オススメの食べ方

特にやわらかく、熱を加えると甘みがさらに増すので、「焼きネギ」や「お鍋」が最適です。

◎農家さんが苦労していること

①やわらかく輸送に不向きなため、地元での消費(地産地消)が主です。
②他の伝統野菜と異なり、認知度が低いため、生産と消費の拡大を促進したいと考えています。